福岡県糸島市
冠水監視システム
福岡県の最西端、福岡市の西に位置する糸島市。
海と山に囲まれた豊かな自然と、福岡都心部へ30分程度という立地の良さから、観光地として人気があり、近年では移住先としても注目を集めています。
Braveridgeの自社工場も、この糸島市にあります。
糸島市、道路冠水の監視を目的に市内2カ所に導入
近年、多発する集中豪雨などの災害によって各自治体では監視体制の整備が急務となっているなか、糸島市では、市道の「道路冠水」の監視を目的に、2022年4月から『冠水監視システム』を導入。
現在、糸島市内の2カ所に冠水センサーが設置されています。そして先頃、糸島市では夜半から未明にかけて激しい雷雨にみまわれました。
そのときの様子、冠水監視システムがどのように役に立ったのか、糸島市役所 建設課の永翁さんに伺いました。
やっぱり「行かなくていい」というところ
「糸島の場合は海が近い。潮の満ち引きによって、河川の水が流れる流れないというのがどうしてもあります。しかも、最近のゲリラ豪雨というか集中豪雨に関しては、もう予測がつかない状態になっている。冠水監視システムを使うと、現地に見に行かなくても、今現在どういった状況か直ぐに確認できるっていうところが一番いいところですね。」
と永翁さん。
冠水監視システム導入前はどういった状況だったのでしょう。
「今までは、雨が降って、現地からの通報で、初めて現地に行って状況を確認、通行止め、職員を貼り付けて誘導をする、とかの対応をしていました。現地での確認が、通報からになっていたのが、今は冠水監視システムでどういった状況か確認できるようになりました。」
そう、道路の冠水で危険なのは、10cm程度の冠水でも道路の境が分からなくなること。冠水するようなところは隣が水路であるようなケースも多く、ガードレールでも無ければ道路がどこまでなのか分からず、たいへん危険です。夜中であればなおさら。人が嵌まったりクルマが道路脇に落ちたりしないよう、一刻も早く通行止めの対応が必要になります。
冠水監視システムには、その対応の準備という意味でも大きく期待されています。
「警戒水位に達したあとの水位の増減」をデータとして活用
「今後の対応に活かせる、という意味では、警戒水位に達して、そのあとの水位の増減を見ることができる、というのはとても大きいですね。どこまで水位が上昇すると冠水が始まる手前ですというところが確認できる。そこから、どのぐらいまで水位が上がって、どのくらいで水が引いたか、そうした水位の変動の状況まで確認できるため、今後利用していくなかで、どのくらいの雨量であれば冠水の危険があるなどのデータが収集できていけば、データの蓄積によって、冠水する手前であるとか、その水位の変動を見ながら、早め早めに通行止め対応をする準備ができると期待しています。」
実はここ、水位の変動が分かるという点が、Braveridgeの冠水監視システムの大きな特長です。
多くの冠水センサーは、冠水したかどうかだけをセンシングするものが多いのですが、Braveridgeの冠水監視システムでは、圧力式水位計を使用しているため、センサーが水に浸かったあとの水位の変化まで見ることができるという大きなメリットがあります。
下図のように、警戒水位/危険水位を設定し、冠水する前の警戒水位の段階から水位の増減をリアルタイムに(5分〜任意設定)確認できます。今後は、そのデータの蓄積によって、どういう状態になったら現地に行かなきゃいけないかなど、もっと早い段階で準備と判断ができる、そこに対しても大きく期待されています。
今後への期待
「あとは、そのときの写真が撮れるといいですね。
ずっとはいらない、静止画でいいので、冠水してから5分おきぐらいの様子が、どのくらいか目で見て確認できるっていう。冠水検知したあとカメラ画像で確認できる。そういったのができてくれば、状況がよりしっかり把握できる。
どうしても現場に行くのには時間のロスがあります。
動画だと多分容量とかが問題になってくるので、その時その瞬間の1枚、写真が撮れれば一番いい。対応終わった後にもリアルに状況が記録として確認できる。そういったのがあるとより活用しやすくなるかな。」
将来のためのデータの蓄積とその活用までしっかりと視野に入れていただいている永翁さんでした。
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