導入事例

株式会社オートバックスセブン

みる・まもーる

利用サービス

利用通信規格

Braveridge担当

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株式会社オートバックスセブンは、安心・安全をテーマに、IoTやAIなどのデジタル技術を活用した独自の見守りサービスブランド「WEAR+i(ウェアアイ)」を展開しています。その「WEAR+i」から、子どもや高齢者の外出を見守る、GPS・緊急通知ボタン搭載のIoTデバイス「みる・まもーる」が発売されました。
Braveridgeは、この「みる・まもーる」デバイスを開発・製造、「みる・まもーる」デバイスとスマートフォンアプリを繋ぐIoTネットワークサービス「BraveGATE」を提供しています。

『みる・まもーる』の特徴

  • GPS・みちびきに対応し、スマートフォンから「みる・まもーる」の現在地や位置情報を知ることができる。
  • 軽量で扱いやすく、子どもや高齢者、モバイル機器に不慣れな方でも簡単に操作できる。
  • SOS機能として、緊急通知ボタンを押すだけで見守る人に緊急事態を知らせることができる。
  • エリア通知機能で、指定した場所からの出発・到着がわかる。
  • ヒートマップで、よく行く場所や行動範囲を把握できる。

詳細:みる・まもーる | 製品・サービス | WEAR+i 株式会社オートバックスセブン

手ごろな大きさと重さ、そしてデザインへのこだわり

「携帯して持ち歩いていただくためには、大きさが手ごろであること、またできるだけ軽いことが必須だと考えていました。」
こう語るのは『みる・まもーる』のプロジェクトマネージャーを務めるICTプラットフォーム推進部 WEAR+iコミュラボ課長の花井太郎氏。今回のBraveridgeとの協業とBraveGATEについて話しを伺いました。

企画段階から、同様の既に先行するサービスとの差別化を図るためにも、想定するサービスを実現する機能はもとより、気軽に携帯できるサイズ感・重量と、永く利用してもらえるデザインの優先度を高く設定し、この点を高いレベルで実現できるパートナー探しが課題だったとのこと。

「Braveridgeには、これまで多くのIoT機器製造実績を裏付けとした着実な仕様のご提案をいただきました。さらにデザインの面でも弊社の要件に対して期待を超える内容となっており、ぜひ一緒に実現していきたいと思い、開発パートナーに決定させていただきました。技術、デザイン、パッケージと、機器開発に必要なすべての要素を高いレベルでご提供いただけると信じて託しました。」

「細かな仕様変更への真摯な対応、デザインを損なうことなく仕様を実装し、かつ重量を限界近くにまで詰めていただきました。安心感と信頼をもって開発を進めることができたと思います。」

IoTネットワークサービスBraveGATEの選択

サービスに必要なSIMやIoTプラットフォームの選択は、実はIoTサービス開発の成否を大きく左右するポイントです。
さまざまなSIMサービスやIoTプラットフォームが乱立するなかで、BraveGATEを選択したことについて、花井氏はこう語っています。

「APIによる弊社クラウド環境とのデータ連携の柔軟性、IoTにフォーカスした新たなネットワークサービスとしての将来性、そして価格体系等の総合力にて選択させていただきました。」

BraveGATEを使うことで、オートバックス社クラウド環境からAPIを叩くだけでデバイスがコントロールできるため、LTE回線を使ったIoT開発では考えられないレベルの簡単さ、かつ、短期間でのシステム構築が実現できたのは特筆すべき点です。

「これまで大きな障害もなく安定したサービスをご提供いただいており、まずは安心しております。今後も弊社サービストランザクションのボリューム増や他社様のサービス展開に応じてサービスレベルに大きな影響がないようにしっかりと運用をお願いします(笑)。」

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プロジェクト進行中の大きな決断

実は、この「みる・まもーる」開発プロジェクトでは、開発途中で大きな変更を決断しています。
設計と試作がある程度進んでいたなかで、当初使用していたLTE-M通信モジュールではなく、最新の次世代SiP(System-in-Package)Nordic Semiconductor社のnRF9160に変更することにしました。

「開発途中にてバッテリーの稼働時間が大きな課題としてあがってきました。弊社の優先事項であるデザインと重量を重視した要件に対応するためにはバッテリー容量には限界がありました。その検討中にBraveridgeからご提案いただいた新モジュールには、低消費電力性能と小型化の実現への期待感がありました。バッテリーの稼働時間はそのままお客様のUXに大きな影響を与えるため、新モジュールの採用というリスクはありましたが最終的に変更を決断いたしました。」

開発途中でのLTE-M通信モジュールの変更は根本に関わる部分、開発全体に大きな影響を与えそうですが、実際にはどうだったのでしょうか。

「設計とパッケージング、ソフトウェア開発、モジュール製造元との調整等、Braveridgeには多くのご負担をお願いすることになってしまいました(笑)。特にスケジュール面では大幅な見直しが必要となりました。
コロナ禍における部材調達の影響もありましたが、Braveridgeの強力なご支援により無事にサービスを開始することができました。」

省電力化と小型化に寄与したnRF9160

このnRF9160への変更。
チップのサイズは面積比で29%!と大幅に小さくなるだけではなく、試作機に使用していたモジュールでは必要だった外付けマイコンも不要となるために、一気に小型化が可能となりました。
しかし、この時点で日本国内でnRF9160を動かしていたところはまだ少なく、Braveridgeが日本国内で唯一nRF9160のサポート対象であった点、既に先行開発を進めていた点は大きかったと言えます。
そして、前述したように、開発途中での通信モジュールの変更には大きなリスクを伴います。
デバイスの心臓ともいえる通信モジュールが変わればさまざまな動作が変わるため、デバイスだけではなく、IoTクラウド自体にも影響します。その点でも、BraveGATEを使っていたことが功を奏しました。Braveridgeが既に先行開発としてnRF9160をBraveGATEで動かしていたため、モジュール変更による影響を最小限に抑え込んで開発を継続することができました。

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もうひとつのポイント:電池

基板の小型化だけでなく、デバイスのサイズと重さを左右する大きなファクターが電池です。ユーザー負担を減らすため充電頻度は減らしたい。が、その一方で、電池容量を大きくするとデバイスが大きく重くなる。もちろん、必要なサイズは動作のさせ方でも変わります。そのバランスを取りながら電池サイズを決定しました。

電池に関しては、Braveridgeから新しい提案がありました。
通常のLi-Poとは異なる電解液を使った、爆発しないLi-Poの提案でした。

「通常のLi-Poは爆発する可能性がないとは言えない。GPS端末を人が持ち歩くことを考えると、より安全性の高い電池を採用することにしました。」

『みる・まもーる』の今後の展望について

最後に、今後の展望について伺いました。
「見守りサービスとしてお子様やご高齢者といった「人」はもちろんのこと、当機器を活用し大分県にて実証実験を展開しているIoTタクシー配車のような「地域」を見守るサービス等、幅広く展開してまいりたいと考えております。弊社のみならず、企業様や自治体様との連携により新たなサービスの構築も期待しています。」

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