株式会社Braveridge(ブレイブリッジ、以下Braveridge)は、特許取得技術(※1)を使用したマンホールやロッカーなどの金属面に貼り付けて使用できる小型かつ超薄型の2.4GHzアンテナを製品化、サンプル提供を開始したことを2023年3月16日に発表しました。
1 国立大学法人九州大学が開発した特許取得技術「片面放射アンテナ」など3つの特許技術(※2)を使用
九州大学との共同研究成果を活用、製品化
本製品は、国立大学法人九州大学が開発した特許取得技術「片面放射アンテナ」など3つの特許技術(※2)を使用し、その発明者である国立大学法人九州大学 システム情報科学研究院 金谷晴一教授とBraveridgeとの共同研究「2.4GHz単方向アンテナの特性を活かしたIoTデバイスにおけるアンテナ指向性の課題、金属板への設置課題の解決」における研究成果を活用して製品化しました。
2 特許第5213039号「片面放射アンテナ」
特許第4811807号「アンテナ、アンテナ設計装置、アンテナ設計方法及びアンテナを生産する方法」
特許第4827260号「通信回路、インピーダンス整合回路、インピーダンス整合回路を生産する方法、及び、インピーダンス整合回路の設計方法」
無線によるIoT化の課題
電波は、その特性上金属に弱く、金属に近接した状態では電波が減衰し無線通信が困難になります。
これまで、マンホールの金属蓋やロッカーなどの金属筐体などでは、無線によるIoT化が望まれつつも、既存アンテナでは実用的な無線特性が得られませんでした。金属ケース内部や地底内部からの電波放射では電波が遮蔽され、外部にアンテナを出せばアンテナは突起し実用性が低下します。これらが、長年の課題でした。
特長
今回、製品化した2.4GHzアンテナは、1mm厚の薄型で、金属面に貼り付けて設置しても、アンテナ利得:-1dBiと圧倒的な無線特性(通常のダイポールアンテナ:+2.1dBi程度)を実現している点が最大の特長です。
これにより、Bluetooth®LE(Bluetooth®4.2)でも150メートル以上の無線通信が実現可能、Bluetooth®LE(Bluetooth®5.x-LongRange)では700メートル以上の無線通信が可能です。
金属面でも無線特性を犠牲にすることなく、マンホールの内部や、ロッカーの金属筐体内部、金属制御ボックス内部などから一般空間への無線通信が実現可能となりました。
今後、IoT分野におけるさまざまな用途への活用が期待できます。
マンホール蓋への設置例(写真)
マンホールに使用する際は、本アンテナの上に非導電性(樹脂・ガラス等)のカバーが別途必要です。
マンホール蓋への設置例(断面図)
マンホール蓋設置時の放射パターン
主な仕様
周波数レンジ | 2402MHz ~ 2480MHz |
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利得 | -1dBi(金属面に設置した状態において) |
入力インピーダンス | 50Ω
特殊環境に応じたマッチングサービスも対応可能です(有料)。 |
サイズ | W: 52mm × D: 52mm × H: 1mm(同軸コネクタおよび整合用部品含まず)
4箇所のネジ止め部を含むサイズ。ネジ止め不要の場合にはカスタマイズ対応による小型化も可能です。 |
今後の製品展開
Braveridgeでは、今後、このアンテナと一緒に使用できる防水防塵仕様の無線通信ユニット(Bluetooth®LE)と、この無線通信ユニットに接続するセンサー群の製品化も予定。新たに無線通信部分の設計開発を行うことなくお客さま製品の無線IoT化を可能にするラインアップを整えていく予定です。